阪神藤浪晋太郎投手(26)が16日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、300万円減の年俸6000万円でサインした。今季は24試合登板で1勝6敗、防御率4・01。5年連続の減俸にも「数字としては到底満足のいくものではないですけど、自分の中での感触としていいところがあった。そこは来季に生かせるように」と前を向いた。

今年は3月下旬から新型コロナウイルス感染で離脱し、6月にも右胸の張りで調整に狂いが生じた。8月21日ヤクルト戦で692日ぶりの復活星をあげたが、9月5日巨人戦で球団ワーストの1試合11失点を喫するなど、夏場以降も苦しんだ。

それでもチーム内のコロナ禍で9月下旬に1軍緊急昇格後はブルペンに配置転換され、計13試合の中継ぎ登板で失点は2試合のみ。「いい経験になった。勉強できた期間だったと思います」。球団最速の162キロを計測するなど本来のすごみを取り戻し、10月下旬に先発復帰後は計15イニングを自責点0と復調を印象づけた。

すでに矢野監督は来季の先発起用スタートを明言。完全復活へ、期待は高まるばかりだ。「自分の中では先発以外は頭にない。先発で勝てるような選手になっていきたいと思います。最後の方に良かった感覚を来シーズン、数字で表せるようにしたい」と力を込めた。